飲食店をやっていると、売上が安定しない間や、何かイレギュラーなこと(数週間連続雨など)が起きたときに、家賃や仕入れの支払いがきついタイミングがあるかと思います。
そんな中で世の飲食店は日々の売上をやりくりして、食材や備品を仕入れたり、家賃を払ったりしてお店を運営しているのですが、
お店が安定するまでの間などは、どうしても資金繰りが厳しいことがあるのも事実。
そんな時も当然、経費は支払っていかねばなりません。
幸い飲食店は日銭が回る商売なので、1日2日営業すれば現金が入り、支払いに回せるので、
優先度の高いものから支払っていき、日々の営業でなんとか支払いを終えて乗り切ることもありました。
ただ、絶対に優先的に払わなければいけないと思ったのが、家賃です。
(もちろん他も滞納は絶対にダメです)
スポンサーリンク
飲食店で一番滞納してはいけない支払いは、家賃。
飲食店の家賃滞納は思っている以上に危険。
滞納はどんな理由にせよよくないですが、今までで滞納してダントツやばかったのが家賃。
ガスや水道料金をうっかり数日後に支払うようなノリでシレッと遅れて支払いを続けていると、思わぬ落とし穴があることがあります。
今回は僕らの店で実際にやってしまった失敗談を踏まえて、その一例をご紹介します。
飲食店の家賃滞納はペナルティやブラックリストなど、失うものが大きい
まず家賃の滞納は何がやばいのでしょうか。
というかすいません、そもそも滞納はダメです。
契約違反ですからね。
ただ、実情として、土日や連休を挟んで、少し遅れて休み明けに慌てて支払ったり、ということがあるのも事実です。
仕入れ先などもそうですが、あまりに滞納を続けると取引停止になったり、支払うまでその後の注文が保留になって仕入れができなくなったりします。
当然電話もバンバンかかってきますし、何一ついいことはありません。
(念のためですが、うちの店が滞納しまくっていた訳ではないですよ^^;)
ただ、ネット検索などするとでてきますが、家賃については、滞納すると、
家賃保証会社からの取り立てや、ペナルティなどが発生することもあります。
悪質だと強制退去という事例も世の中にはあるそうなのです。
そして僕らの店にもそれはやってきました。
30倍の金額の請求書がやってきた
もともと家賃は月の最終日に振込で支払う契約になっていたのですが、まれに月末と週末が重なった時など、週明けの翌月1日支払いになったりすることがありました。
個人の電気やガス料金も、うっかり支払日を過ぎてしまって、慌てて支払ったことが一度はあるのではないでしょうか。
僕の認識が甘かったのですが、店の家賃も、どこかそれと同じような感覚でいたのです。
ただ、1日遅れでも、支払い自体は漏れることなくできていたので、正直あまり気にしていなかったのですが、
それはある日突然やってきました。
飲食店物件に限らず、物件オーナーさんが「家賃保証会社」と契約していることは多々あります。
家賃が滞納された時などに、家賃保証会社がいったん立て替えてオーナーに払ってくれて、後に入居者から回収もやってくれるので、当然オーナーさんとしては家賃未回収リスクの軽減になるからです。
僕らが借りていた物件も同じで、家賃保証会社がいました。
そしてその会社に「家賃保証」の更新費ということで、毎年1万円を支払っていました。
まぁ年に1万円なので、それほど負担もなく。
その時も、「今年も来たか」くらいで、いつものように封筒を開けたのですが、、
あれ、いつもより、何かゼロが多い。
1万円の1もなくて、何か3になってる・・・?
よく見ると、1万円どころか、その30倍の金額の請求書だったのです。
最初は意味が、わかりませんでした。
しかも、金額欄以外はいつもどおりの請求書で、特に説明書きなどもなかったので、何かの間違いかとすぐに担当者へ電話。
話を聞くと、それが通常価格です。という答え。
???
をたくさん浮かべながらさらに話を聞くと、こんな理由があったのです。
- 通常は毎年、家賃保証の更新費として、家賃の1ヶ月分を支払うことになっている
- 家賃滞納がなければ、割引価格で年額1万円に減額される(←それまではこの状態だったわけですね)
- 前年に家賃の滞納(たとえ1日であっても)が4回以上あったので、通常料金の30万円に戻った
電話口で固まりながらも、何も言えませんでした。
そもそも物件の管理会社が契約している保証会社なので、こちらで選定していなかったり、最初にその辺の説明は特になかったりしたことなども頭をよぎりましたが、「滞納」したのは事実。
その辺の契約書を細かくまで確認しきっていなかった自分達にも原因がありますし、今から経緯をたどってやり合おうという気もありませんでした。
そんなわけで、その時は何とか30万円をかき集めて支払い。
しかも、すでに支払日から1ヶ月近く過ぎていたので、それ以上待ってももらえず、その週を過ぎると訪問で回収に行きますとのこと。
昔ドラマで見た、借金取り立てのシーンが浮かびました。
(実際はとても丁寧な若手の営業さんなのですが)
それでも支払えないと、実際に、強制退去になったり、裁判になった事例もあるようです。
とにかく、年末で伸びた売上があってよかった。。
今後はどの支払いより先に、家賃入金しようと誓いました。
もちろん家賃滞納は絶対にダメなことです
そもそもその辺のランニングコストは契約時に確認して把握しておくべきだし、滞納はNG。当然のことです。
ただ、うっかり今日が月末で、明日は土曜か!みたいな日があったり、売上が安定するまでは、資金繰りのタイミングで1日入金が遅れてしまった、、みたいな時もあるじゃないですか。。
でも家賃に関しては、そんな感覚を踏まえた上でも、本気でNGです。
食材や備品(こちらももちろん滞納はダメですが)とは比べものにならないくらい単価も高いですし、逆に物件オーナーさんもその金額が未納だとかなり困りますよね。
そもそも滞納はNG。その中でも家賃はマックスでNG。
ということで、どんな事情があっても、飲食店で家賃の滞納はNGです。
うちの店担当の営業さんは爽やかで穏やかな人で、こちらの話も聞きながら数日待ってくれたりしましたが、
取り立て訪問や、強制退去、裁判などに発展した事例も見かけます。
場所が無くなっては何もできませんので、支払いきついタイミングもあるかと思いますが、
家賃の支払いはくれぐれもしないほうがいい、という失敗談を踏まえてのお話でした。