小さなお店が生き残るには?飲食店に欠かせない「差別化」

9d53e87865f969e9771327ffddd463b7_m
飲食店を経営していると、当然、今よりも多くのお客様に来てもらいたいと考えます。

そのためにどうするでしょうか。

 

「もっとおいしい料理を作る」

「もっと居心地のよい内装を考える」

「もっと元気な接客を心がける」

・・・

など、

色々改善点は浮かぶと思いますが、

 

その前に、

そもそもうちのお店を選んで来てくれるかどうか、というところから始めなくてはいけません。

「なぜこの店を選ぶのか」という理由が必要ですね。

スポンサーリンク

差別化できる”価値”を作る重要性

さて、前置きが長くなりましたが、

飲食店(特に大手チェーンではない、規模の小さなお店)にとっては、「差別化」がとても重要です。

読んで字のごとく、他の店と違うところ。

 

すなわち、「うちの店だけが持っている価値」ということですね。

お店に来てもらうには、そんなハッキリとした「価値」が必要になります。

 

ただ、「価値」って何でしょうか。

価値とはどんなものか

904e291b7e8c83d70656b069af5033f3_m

例えば、大手チェーンは行く先々の街で見かけますし、広告宣伝もバンバンやっているので、すでにブランド力や知名度があります。

これだけですでに安心感という”価値”があります。(もちろん他にもありますが)

 

小さなお店の場合、上記の価値を持つのは難しいでしょう。

そのため、より独自の価値を見つけて、アピールしていくことが必要になります。

 

それは「人に言いたくなるような美味しい料理」かもしれませんし、

「ゆったりくつろげる静かな店内」かもしれません。

 

逆に「お店の汚さ」が味として価値になっているお店もありますよね。

「日本ではなかなかとれない食材を使っている」という価値もあるでしょう。

 

というように、「価値」と言っても色々です。

もう少し詳しく見ていきます。

ターゲットによっても違う「価値」

a210b58cfff29f9ae36b9640b2a1ac69_m
例えば、ファミリーで出かけるお父さんにとっては、

多少遠くても、高級美味な食材を使っていなくても、車の駐車場があるかどうかが一番の「価値」だったりするでしょう。

 

カウンターでしっぽり、上質な日本酒が飲めなくても、

子供が窮屈でなく、多少大声でも大丈夫なお店が「価値」になることもあるでしょう。

 

まさに「ファミリーレストラン」が存在する理由ですね。

逆に、窮屈で肩を寄せ合うようなカウンター席でも、

予約でいっぱいのお店はたくさんあります。

 

当然、この店には居心地の善し悪し以上の、別の価値があるからです。

それを「価値」だと思ってくれるのは誰か、をまず考えるのが重要

ということで、お客を呼び込むには、

まずは「他のお店に負けないハッキリとした価値」と、「それを価値と思ってくれる層」を見つける(作る)ことが第一歩です。

もちろん逆から考えてもOK。

 

「どんな層に向けてのお店にするか」を決めて、「その層にとって価値になる特徴」を作る。

というのもありですね。

 

色々なお客様を狙いたいのは当然ですが、全ての人を満足させるのは実際ムリな話です。

 

まずは価値を見つけ、それを強みとしてお店のイメージを作っていくことが重要です。

「価値」を決める前に、実際に見ておきたい3つ

価値は机の上では決まりません。決める前に、次の3つを実際に確認しておくと、思いつきではなく「その場所で成立する価値」に近づきます。

1.店の周りを、営業時間に歩く
自分の店が混む時間帯と、暇な時間帯に、それぞれ店の周囲を10分ほど歩いてみます。
見るのは「どんな人が歩いているか」「どの店に入っていくか」「何時に人が消えるか」。

ランチは会社員だらけなのに、夜は20時を過ぎると人通りが途切れる、という街も普通にあります。ここが分かっていないと、狙う客層の設定そのものがズレます。

 

2.競合店に、客として入る
近隣の同業態の店に、一度は客として入ります。見るのは味だけではありません。

・価格帯(一番安い料理と、一番高い料理はいくらか)
・何時に満席になって、何時に引くか
・客層(人数・年齢・グループの種類)
・注文から提供までの時間
・席の構成(カウンター中心か、テーブル中心か)

この5つを見るだけで、相手が何で勝負しているかはだいたい分かります。そして「相手がやっていないこと」が、そのまま自分の候補になります。

 

3.自分の伝票を見る
意外と見落としがちなのが、すでに手元にあるデータです。
何が出ているか、誰が何人で来ているか、どの時間帯が強いか。

「うちの価値はこれだ」と思っていたものと、実際に売れているものが違う、というのはよくあります。お客様が評価しているのは、たいてい後者の方です。

差別化の候補を絞り込む、5つの判断基準

候補がいくつか出てきたら、次の基準で落としていきます。ひとつでも当てはまらないものは、続きません。

□ 毎日、同じ品質で続けられるか
店主がいる日だけできること、特定のスタッフしかできないことは、価値としては弱いです。休みの日に来たお客様には伝わりません。

□ 原価と手間に見合っているか
手をかけた分だけ価値は上がりますが、1品に1時間かかるようでは、忙しい時間帯に回らなくなります。ピーク時にも成立するかどうかで判断します。

□ お客様が、一言で人に説明できるか
「あそこは○○の店」と言えるかどうか。口コミは、説明が短いものほど伝わります。説明に3行かかる価値は、他人には伝えられません。

□ 真似されたときに、何が残るか
メニューや価格はすぐ真似されます。真似されても残るのは、立地・店主の人柄・積み重ねた常連・仕入れルートなど、コピーに時間がかかるものです。真似されて何も残らない候補は、優先度を下げます。

□ お店のコンセプトと矛盾しないか
安さを売りにしている店が高級食材を押し出すと、どちらも中途半端になります。

ありがちな、うまくいかない差別化

逆に、よく見かける「効かない差別化」も挙げておきます。

・作り手の自己満足で終わっている
こだわりの調理法や産地は、それ自体は素晴らしいのですが、お客様がその違いを分からなければ価値にはなりません。「言われて初めて気づく違い」は、差別化としては弱いです。

・全方位に良い店にしようとする
「料理も接客も価格も内装も」と全部を磨こうとすると、どれも平均点になります。全員を満足させようとすると、誰の一番にもなれません。

・値段で差をつける
一番簡単で、一番危ない方法です。下げた値段は戻しにくく、体力のある店が同じことをやってきた時点で終わります。

・イベント頼み
月替わりの企画は集客にはなりますが、企画をやめた瞬間に元に戻ります。企画は「価値を知ってもらうきっかけ」であって、価値そのものではありません。

 

そして、おそらく一番多いのがこれです。

・価値はあるのに、外から見えていない
中身は良いのに、店の前を通った人には何も伝わっていない状態です。

決めた価値は、看板・メニュー・店頭のどこかに必ず落とし込んで、初めて意味を持ちます。入口でどう見せるかについては飲食店でお客さんが入りやすい看板の作り方を、来てくれた人にどう定着してもらうかについてはお客さんにリピーター・常連になってもらうための方法5つを、あわせてご覧ください。