これだけで売上倍増も?効果的なメニューのネーミング

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お店を始めた当初は、とかく「美味しいものを出さねば」と味にばかり注力しがち。

もちろんおいしいのは大前提ですが、それは結局のところ、一回食べるまでは伝わりません。

「おいしければ、ちゃんと人気が出るから、名前なんて分かればいい」と思っている方は、要注意かもしれません。

 

多くの飲食店の中から運良く、うちのお店に来てくれたとしても、
その一押しメニューを頼まないまま、食事を済ませて帰ってしまうことだってあります。

当たり前ですが、まずはその美味しさに興味を持って、注文してもらうことが重要。

食べて「美味しい!」となるのは、その後です。

 

そんな、メニューに興味を持つための”入口”とも言えるのが「商品名」ですが、
商品の名前(商品以外にもありますが)を考えて、付けることを「ネーミング」といいます。

 

このネーミングによって、同じ商品でもまったく売れ行きが変わってきたりするのです。

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商品名を変えただけでバカ売れ!という事例は結構あります

飲食店のメニューではないですが、保湿ティッシュで大ヒットを飛ばした「鼻セレブ」という商品があります。

 

元々は「モイスチャーティッシュ」という名前で発売されましたが、あまり売れず。
商品としてはとても上質で新しいものでしたが、結局後から同様の商品を出した競合他社に抜かれてしまったそうです。

 

そこでブランドの再構築が行われ、
商品名を「鼻セレブ」と分かりやすく、親しみやすい(覚えやすい)ものに変更。

また、パッケージも当初のシンプルでおしゃれなものから、動物の「鼻」の写真を大胆にフィーチャーし、
かわいらしいものにしたところ、大ヒットとなったようです。

※参考にした日経BPの記事(2007年10月掲載)は、2026年9月時点で公開が終了しており、アクセスするとトップページへ転送されるため、リンクを解除しました。上記のエピソードは当時の記事にもとづく内容です。

 

このように、おなじ商品でも名前と見せ方を変えるだけで、大化け・大売れする可能性を秘めています。

 

特に”食欲”という人間の本能に訴えかける飲食店では、
こういったネーミングで商品の魅力をうまく表現することで、ヒットに繋げることも可能なのではないでしょうか。

ポイントはそのメニューの「強み」を伝えること

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一言で言ってしまうと、お客様が注文したくなるような、
そのメニューの「強み」「他にはない価値」を伝えるのがポイントです。

 

あくまで一例ですが、
他のお店よりも衣の食感に特徴があるトンカツであれば、
「サクサク」「ザクッと」などの言葉、

牛すじのやわらかさが強みの煮込み料理であれば、
「とろとろ」「じっくり煮込んだ」などの言葉を入れたりします。

もしくは調理にかけるこだわりや手間暇が強みであれば、
「1日タレに漬け込んだ 熟成チャーシュー」など。

成分やその効果を押したい場合は
「コラーゲンたっぷりの塩もつ鍋」などのネーミングもあります。

 

というように、効果を出すネーミングのためには、

自然と、各メニューの強みと、その見せ方を決める必要が出てきますね。

これが、とても重要になってくるわけです。

やりすぎ注意

もちろん、メニューにはそれぞれ強みがあると思いますが、
すべての商品に色々と言葉を盛り込むとどうなるでしょうか。

 

もし飲食店に入ってメニューを開いて、下記のメニューが並んでいたとしたら。

「じっくり煮込んだトロトロ牛すじ煮込み」
「1日タレに漬け込んだ熟成チャーシュー」
「コラーゲンたっぷりの塩もつ鍋」

・・・逆にひとつひとつがぼやけてしまいませんか?

 

メニューにズラズラと並んでいたら、”読む”という負担が生まれてしまい、
逆に敬遠される可能性もあるのです。

お腹が空いているときに、ごちゃごちゃした文章を読みたい人ってなかなかいませんよね。

 

ということで、コツとしては、お店の看板メニューや季節の一押しメニューなど、
まずは一度必ず食べてほしいメニューに施すのがおすすめです。

ただし、お店のコンセプトは忘れずに

ここで気をつけたいのが、いくら商品の強みが伝わるネーミングでも
お店のコンセプトから外れていては、意味がありません。

 

たとえば、男性向けにボリュームのある料理が売りのお店で、

「コラーゲンたっぷりの塩もつ鍋」

という、美容効果を示唆したネーミングでは、

お店のコンセプトや狙うべき客層とズレがあり、効果的とは言えないかもしれません。
(もちろん美容効果を求める男性を狙う、というのであればいいかもしれませんが)

 

まずはお店のコンセプトと、狙うべき客層を定め、

その人たちに響くような、効果的なネーミングをしていくことが重要です。

ネーミングを決めるときの手順

考え方は分かっても、いざ名前を付けるとなると手が止まります。そんなときは、次の順番で進めると決めやすくなります。

1.そのメニューの強みを、1つだけ選ぶ
食感なのか、手間なのか、素材なのか、量なのか。2つ以上を名前に入れようとした時点で、長くなることが確定します。まずは1つに絞ります。

2.その強みを、お客様が使う言葉に言い換える
「低温調理で2時間」は作り手の言葉、「しっとり」は食べる人の言葉です。厨房の用語のままでは、伝わりません。

3.声に出して読む
メニュー名は、お客様が口に出して注文するものです。読みにくい、噛む、言うのが少し恥ずかしい名前は、それだけで出数が落ちます。スタッフが復唱できるかどうかも、同時に確認できます。

4.メニューブックに並べた状態で見る
1品単位で見ると良い名前でも、隣に並べると埋もれることがあります。必ず前後の行と一緒に見ます。

5.1週間置いて、もう一度読む
考えた直後は、たいてい盛りすぎています。日を置いて読み返して「くどい」と感じたら、そこが削りどころです。

長さの目安と、メニューブック上の見え方

名前が長くなるほど読まれなくなるので、修飾は1メニューにつき1フレーズまでが目安です。

「じっくり煮込んだ」「サクサクの」のような形容を2つ重ねると、それだけで行が折り返します。折り返した瞬間に、メニュー名は”文章”になってしまいます。

 

どうしても説明を足したい場合は、名前に押し込まず、小さい文字で1行の補足を付ける方がすっきりします。

名前は短く、説明は別の行に。
これだけでメニューブックはかなり読みやすくなります。

 

また、装飾的なネーミングを付けるメニューを絞るのと同じで、写真を載せるメニューも絞った方が効きます。全品に写真が付いたメニューブックは、結局どれが推しなのか分からなくなってしまいます。

名前を変えたら、効果があったかどうかを数える

ネーミングは「変えて終わり」にしてしまうと、良かったのか悪かったのかが永遠に分かりません。

確認の仕方は難しくなく、変更前と変更後の出数を比べるだけです。ただし、比べ方にはコツがあります。

・一度に複数のメニューを変えない
3品同時に名前を変えると、どれが効いたのか分からなくなります。面倒でも1品ずつが確実です。

・価格・掲載位置・写真は同時に変えない
名前と一緒にメニューブックの掲載位置まで変えてしまうと、効果が名前によるものなのか、位置によるものなのか切り分けられません。メニューは上の方が出やすい、というのは名前とは別の話です。

・最低でも2〜4週間、同じ曜日数で比べる
飲食店の出数は、曜日と天気で簡単に上下します。1週間と1週間、2週間と2週間のように、同じ曜日構成で比較します。連休や年末年始をまたいだ期間は、比較から外した方が無難です。

・出数だけでなく、客単価も一緒に見る
名前を変えて出数が増えても、そのぶん高単価の別メニューが出なくなっていれば、売上は変わっていません。店全体の客単価とあわせて見ます。

表現で、やってはいけないこと

最後に注意点です。ネーミングは「盛る」作業になりやすいのですが、実際の内容と違う表示はしないという一線だけは、必ず守る必要があります。

・使っていない産地を書く(「○○産」)
・仕入れた惣菜に「自家製」と付ける
・実際には行っていない製法を書く(「熟成」「手打ち」など)

 

判断の基準は、お客様に「これはどういう意味ですか」と聞かれたときに、そのまま説明できるかどうかです。説明に困る表現は、その時点で危ういと考えた方がいいでしょう。

産地や原材料の表示についてはルールが定められている分野でもあるので、迷うようであれば表現を弱めるか、事実の範囲で書き直すのが安全です。

「おいしそうに見せる」と「事実と違うことを書く」は別物、と考えておくと判断しやすいと思います。

 

なお、短い言葉で強みを伝えるという点では、メニュー名も看板もやることは同じです。店の外でどう見せるかについては、飲食店でお客さんが入りやすい看板の作り方もあわせてご覧ください。